数年来国内外を問わず、居住区域内(建物内)での環境が起因すると考えられるいろいろな症状、体調不良が大きな問題となってきました。医学的な統一見解が必ずしも存在しない症例もあり、また症状も個人差が大きい為に複数の連鎖した原因と捉える以外完全な形での原因物質の断定は非常に困難であるのが現状です。
厚生労働省は現在までにこれら室内空気汚染の起因物質と考えられる13物質を選定し、室内環境濃度指数値を示しています。国土交通省は厚生労働省の策定した濃度指針を基に問題の大きいと考えられる化学物質の使用制限を法制化しており、今年7月にはホルムアルデヒド、クロルピリホスが規制対象物質となりました。
※平成14年までに厚生省(現厚生労働省)の室内濃度指針値13物質は以下の通りです。
室内濃度指針値13物質 |
| ホルムアルデヒド |
トルエン |
| キシレン |
p-ジクロロベンゼン |
| エチルベンゼン |
スチレン |
| クロルピリホス |
テトラデカン |
| ダイアジノン |
フェノブカルブ |
| アセトアルデヒド |
フタル酸ジ-n-ブチル |
| フタル酸ジ-n-エチルヘキシル |
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これら物質で室内空気汚染の起因物質として問題視される事が多い物質が上記赤字の化学物質です。
■ホルムアルデヒド
一般建材(合板・パーティクルボード等)、家具等に使用される合成樹脂や接着材にもよく用いられる化学物質で、2002年に厚生労働省から「職域における屋内空気中のホルムアルデヒド濃度低減の為のガイドライン」が出されるなど、一連の室内空気汚染の起因物質としては最も良く知られる存在となりました。タンパク質を固め変質させる特性(ホルマリン漬)からも分かる様に毒性が高い物質に分類されますが、実際に体内に摂取されタンパク質変性を行わせるには数グラムのホルムアルデヒドが必要とされると考えられる為、室内空気汚染の起因物質としての毒性は、ホルムアルデヒドを含めた複数の要素により起こると考えるのが一般的です。
備長炭・炭等、現在多数のホルムアルデヒド吸着用のシートがありますが、活性炭シートでの吸着性能を炭資材と比較試験をすると10〜100倍以上の性能差があることが確認できます。
■キシレン
家具、建材、内装材等で使用される塗料、接着材の希釈液として使われることが多い揮発性有機化合物です。無色で芳香を持つ可燃性の液体。今後使用制限を法制化される可能性があります。
■トルエン
キシレンとよく似た性質を持つ揮発性有機化合物。今後使用制限を法制化される可能性があります。
■エチルベンゼン
キシレン・トルエンとよく似た性質を持つ揮発性有機化合物。
■スチレン
ポリスチレン樹脂・ABC樹脂、合成ゴムなど原料として使われています。余談ですが一時期スチレンの重合時に生じる副産物の2量体、3量体が環境ホルモンの疑いがあると指摘されていました。
■アセトアルデヒド
酢酸、酢酸エチルなどの化学物質をつくる原料、合成樹脂の原料としてよく知られています。天然界にも存在しており、国によっては食品添加物(香料)として使用されています。
■クロルピリホス
有機リン系のシロアリ駆除剤、または殺虫剤としてよく知られています。数年前に中国産ホウレンソウから検出されたのもこの化学物質です。テトラデカン、フェノブカルブも殺虫剤原料で同様の効果を持っています。
このように物質の名前としてはあまり知られませんが、身近にある塗料類、保存剤、農薬、殺虫剤などに使用される化学物質により室内空気汚染が起こり、環境が一変してしまう事が実際にあり、また現在使用される物質についても今後新たに規制される可能性が今後十分に有り得るのです。 |